2006年、徳洲会グループにて治験事業が開始されるにあたり、各病院に臨床試験(治験)センターが設置され、同年、未来医療研究センターも設立となり、治験受託(窓口)の一元化、共同IRB、CRC研修等を手始めに、治験関連情報や活用できる機能の共有化やSOPの統一、マニュアルの標準化を進めてまいりました。

治験・臨床研究を取り巻く様々な環境は、常に変化しています。特定臨床研究・人を対象とした臨床研究倫理指針など、研究によって倫理委員会等の手続きも違い、各々、SOPがあり、一つの研究の手続きは簡便化したようにも見えますが、病院全体を通してみると複雑化しているようにも思えます。その環境の変化に適切に対応し、研究を実施しようとする医師や医療職に体系化されたサポートをするためには、CRCや治験・臨床研究の事務の役割が重要です。

治験や臨床試験でもIT化やIoTの活用が身近になってきています。臨床試験部会は、各病院で日々の業務を行っていきながら、年間を通じて、会議や研修会を開催し、情報の共有化やマニュアルの統一、電子カルテ等の活用方法など業務を標準化し、各病院で質の高い治験が迅速に実施できるように取り組んでおります。

最近、QOL評価など被験者から直接、回答などによって得られる結果を指標とする研究も増えていると感じます。CRCは、被験者の一番近くにいる存在であることを忘れず、治験や臨床研究をサポートする専門職として、日々、知識やスキルアップを図り、患者さんへの医療貢献の一端を担ってまいります。

徳洲会 臨床試験部会
部会長 溝田忍